2026年11月5日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
法政大学中学校・2026年度 第1回 社会
地図・防災、女性参政権の歴史、2025年春の国際政治と貿易の3大問・全18項目を解説します。記述では資料の根拠と因果関係を示し、訂正紙や解答資料の表記にも注意して整理します。
第1問|地形図とハザードマップ
この大問で学ぶこと
記号・土地利用・危険の範囲を根拠にする
(1) A〜Dの地図記号
A:税務署/B:老人ホーム/C:交番/D:寺院
- Aは税務署、Bは老人ホーム、Cは交番、Dの卍は寺院です。交番と警察署、寺院と神社の記号を混同しないようにします。
- 地図の実際の施設と記号を対応させます。Bは家の形だけで一般住宅と判断せず、記号全体の形を確かめます。
間違えやすい点:名前を暗記するだけでなく、地図中で同じ記号を探す。
(2) 地図から読める地域の特徴
ウ・オ
- 吉祥寺駅周辺には郵便局や図書館などの公共的な施設があり、住宅地の中には小・中学校が複数見られます。ウとオが資料に対応します。
- 消防署があることだけでは過去の大火災は証明できません。工場・果樹園が広がるという選択肢も、地図の土地利用と一致するか確認します。
間違えやすい点:資料から読める事実と、資料だけでは分からない過去の原因を分ける。
(3) 東京都の地理
エ
- 東京では市街地が郊外へ広がる一方、限られた農地で野菜などが生産されています。エの説明が適切です。
- 京野菜・北山杉は京都の特徴です。東京の冬は晴れて乾燥しやすく、本文のような降雪・多雨の説明ではありません。また京浜工業地帯を京葉工業地域と取り違えないようにします。
間違えやすい点:地名・気候・産業地域のどの語が誤りかを具体的に直す。
(4)① 被害を小さくする取り組み
減災
- 自然災害による被害を完全にゼロにすることは難しいと考え、被害をできる限り小さくする取り組みが減災です。
- ハザードマップの確認、避難先や経路の検討などは、そのための準備に当たります。
間違えやすい点:災害が必ず起こらないという意味にはしない。
(4)② 想定された災害
イ(洪水)
- 地図では川に沿って浸水の危険が広がる様子を読み取れます。選択肢では洪水です。
- 海岸から入り込む高潮や津波、斜面の崩壊を示す土砂災害と、危険の広がり方を比べます。
間違えやすい点:濃い色だけで判断せず、どの地形に沿っているかを見る。
(4)③ 危険度が高い理由
解答例:多摩川沿いの色が濃く、台風や大雨で川が増水・氾濫し、周辺が浸水するおそれがあるため。
- 地図の中央を流れる多摩川と、その周辺の濃い色の範囲を根拠にします。その上で台風・大雨という原因から増水・氾濫へつなげます。
- 「色が濃いから危険」だけで終わらせず、自然現象と被害のつながりを記述します。ハザードマップは一定の想定条件による資料で、毎回その範囲が必ず浸水するという意味ではありません。
間違えやすい点:資料の根拠→原因となる現象→想定される被害、の順にまとめる。
第2問|自由民権運動から女性参政権へ
この大問で学ぶこと
法制度と実際の社会の変化を区別する
(1) 歴史の人物・制度の空欄
Aコ/Bイ/Cキ/Dウ/Eオ
- Aは板垣退助、Bは植木枝盛、Cは平塚らいてうです。1874年の建白書、私擬憲法、雑誌『青鞜』の創刊という手掛かりに対応させます。
- Dは1925年の普通選挙法、Eは衆議院です。女性が参加した戦後最初の衆議院議員総選挙は1946年で、参議院選挙と混同しないようにします。
間違えやすい点:人物名だけでなく、運動・出版・制度との組合せを確認する。
(2) 国会開設を求める運動
自由民権運動
- 国会の開設や憲法の制定、政治に参加する権利などを求めた運動が自由民権運動です。
- 板垣退助らの建白書から各地の運動の広がりへ、本文の流れに沿って整理します。
間違えやすい点:自由民権運動を、特定の一回の反乱だけの名称としない。
(3)① 風刺画の誤った説明
ア・エ
- 演説を止めようとする警官への抗議として、聴衆側が急須や茶碗などを投げています。アは、取り締まられる行為と主体の説明が資料と合いません。
- 演説者が警官に静止を求める様子を、聴衆を静める行為に読み替えるエも不適切です。誰が誰に何をしているか、絵の手・顔・物の向きをたどります。
間違えやすい点:文章だけで判断せず、図中の動作の向きと主体を確かめる。
(3)② 岸田俊子が批判した考え
解答例:男性を上、女性を下とみなし、身体の強弱などを理由に男女同権を否定する考え。
- 資料は、男女を主人と召使いのように扱う不平等を批判しています。腕力の強さだけで人の尊さや権利の差は決められないという反論です。
- 資料中の主張を説明する設問であり、自分の感想だけで答えるものではありません。批判の対象と、それを不適切とする理由を入れます。
間違えやすい点:単に「差別はよくない」ではなく、資料のどの偏見かを示す。
(4) 大正期の民主主義的な動き
大正デモクラシー
- 普通選挙や労働者・農民の権利、差別の撤廃などを求める大正期の社会の動きを大正デモクラシーといいます。
- 自由民権運動と目標のつながりはありますが、時期や社会的な担い手を区別します。
間違えやすい点:明治前期と大正期の運動名を入れ替えない。
(5) 青鞜の文章の対比
X:太陽/Y:月
- 自ら光を出す太陽と、他の光を受けて輝く月が対比されています。本文では自立した存在と他者に依存する存在のたとえです。
- 文学的な比喩を、当時の女性の置かれた立場についての問題意識と結び付けて読み取ります。
間違えやすい点:太陽と月の理科知識だけでなく、文章中の役割を考える。
(6) 男女同権が今も課題とされる理由
解答例:戦後に法律上は男女同権となっても、国会議員や候補者に占める女性の割合は長く低く、政治への参加に実際の偏りが残っているため。
- 本文は女性参政権が制度として認められたことを示し、グラフは候補者・当選者に占める女性の割合の推移を示します。制度の成立だけで現実の差が解消したとは言えません。
- 数値の線を取り違えず、長い期間にわたり割合が低いという事実を根拠にします。グラフだけから特定の個人の意識や、すべての原因まで断定しないようにします。
間違えやすい点:本文の制度面と、グラフの実態面を両方使って答える。
第3問|2025年の国際政治と貿易
この大問で学ぶこと
組織の目的と関税の波及を整理する
(1) ガザ地区と気候変動の協定
A:ガザ/B:パリ協定
- Aはパレスチナ自治区のガザ地区、Bは気候変動対策の国際的な枠組みであるパリ協定です。
- この大問は2025年春までの政策・発表を扱う資料です。冒頭の就任日は訂正紙により2025年1月20日で、1月30日ではありません。その後の情勢を設問当時へ混ぜず読みます。
間違えやすい点:発表した時点、脱退が効力を生じる時点、記事を読む現在を区別する。
(2) X・Yの国際機関
Xオ(WHO)/Yイ(ICC)
- WHOは世界保健機関で、人々の健康のための国際協力に関わります。ICCは国際刑事裁判所で、個人の重大な国際犯罪を扱います。
- UNHCRは難民支援、WTOは貿易、IAEAは原子力、UNCTADは貿易と開発に関わります。略称の見た目だけでなく目的から選びます。
間違えやすい点:国際刑事裁判所と、国家間の紛争を扱う国際司法裁判所を区別する。
(3) DEIの意味
ウ
- DEIは多様性・公平性・包摂に対応する言葉で、人種やジェンダーなどの違いに関わらず参加できる環境を目指す考え方です。
- 金融緩和、自由貿易、難民受け入れだけを指す用語ではありません。資料の政策への賛否ではなく、言葉の意味を選びます。
間違えやすい点:制度の意味の説明と、自分の評価や賛否を分ける。
(4)① 輸入品にかける税
関税(資料の政策名は相互関税)
- 外国から輸入する品物にかける税は関税です。この資料で扱う2025年春の政策は相互関税と呼ばれました。
- 提供された解答資料には「相互関係」とありますが、これは税金の名称ではありません。設問と当時の政策資料に基づき「関税/相互関税」と整理します。税率や適用範囲はその後変更されているため、設問の記述を現在の制度として一般化しません。
間違えやすい点:「関係」と「関税」は別の語。解答資料の表記をそのまま暗記しない。
(4)② 米国側にも不利益が生じる理由
解答例:輸入部品や製品の費用が上がり、米国企業の生産費や消費者が払う価格も上がるおそれがあるため。
- 関税は外国企業だけに影響するとは限りません。米国のメーカーも外国から部品を調達するため、輸入価格の上昇は国内の生産費へ波及します。
- 企業が負担を販売価格へ転嫁すれば、消費者の負担も増えます。必ず全額が同じ割合で価格へ転嫁される、とまで断定せず、費用上昇の経路を説明します。
間違えやすい点:輸入→部品費・仕入れ費→国内企業・消費者への影響、と因果をたどる。
解き直しの進め方
地図から読める事実と推測を分け、制度と実態、発表と実施時点を区別します。記述は「資料のどこを見たか」「それが何を意味するか」の二段階で説明する練習につなげましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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