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法政大学中学校 2024年度 第1回 理科入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年11月5日

SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

法政大学中学校・2024年度 第1回 理科

熱、電車の運動、りんごの変色、光合成、地層の5大問・全36項目を解説します。実験の比較条件、運動の途中計算、柱状図のつなぎ方を、設問ごとに確認できます。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|熱の伝わり方と保温

この大問で学ぶこと

熱が移動する場合と新たに生じる場合を分ける

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

(1) 六つの暖まり方

①ウ/②ア/③ア/④ウ/⑤エ/⑥エ

  1. 太陽やたき火から離れて暖まる①④は放射、湯やカイロに接する②③は主に接触による伝導として選びます。
  2. ⑤ダウンジャケットは熱の移動を抑えて保温するもの、⑥手をこする動作は摩擦で熱を生むものです。どちらも外から体へ熱が伝わる三方式そのものではないためエです。風呂全体では湯の対流も起こりますが、設問は体への伝わり方を選ばせています。

間違えやすい点:「暖かく感じる」全てを外から熱が移ってきた結果と考えない。

(2)① 水から棒への熱の伝わり方

伝導

  1. 熱い水に接した棒の端から、棒の他の部分へ熱が伝わるのは伝導です。
  2. 棒全体が水のように流れて熱を運ぶわけではないので、対流とは区別します。

間違えやすい点:温まる物体と熱の移動経路を図でたどる。

(2)② 最も速く温まる棒

ア(銅)

  1. 同じ形・大きさ・初めの温度で比べると、銅はアルミニウムやプラスチックより熱を伝えやすい材料です。
  2. そろえた条件があるため、ここでは材質による熱の伝わりやすさを比べられます。

間違えやすい点:金属同士でも熱の伝わりやすさに違いがある。

(3) 氷が速く融ける順

ウ(B→A→C)

  1. 25℃の部屋から氷へ熱が移ると融けます。Bは風を当て、周りの冷えた空気が入れ替わるので熱を受け取りやすくなります。
  2. Aはそのまま、Cは布が熱の移動を妨げます。したがってBが最も速く、Cが最も遅くなります。布が氷を積極的に冷やすのではありません。

間違えやすい点:保温材は温めるものとは限らず、外からの熱も入りにくくする。

第2問|電車の電力と運動

この大問で学ぶこと

同じ条件を確認し、差と平均を使う

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

(1) 電車の設備・電圧・材料

①イ/②オ/③キ/④コ/⑤ス

  1. ①は架線から集電するパンタグラフ、②はモーター、③は設問の首都圏の一般的な電車の架線として直流1500Vです。
  2. ④レールには鉄、⑤バラストには安山岩を対応させます。新幹線などの交流電化まで全て直流1500Vと一般化しないようにします。

間違えやすい点:屋根上の集電装置と車内の動力を区別する。

(2) 最も電力を使う場面

ア(加速時)

  1. 停車中の電車を速くしていくときは、運動のエネルギーを増やすために大きな電力を使います。
  2. この設問では加速・一定速・減速を比較しています。走行中の全ての条件で一定の電力になるわけではありません。

間違えやすい点:速いことと、速さを増やしていることを区別する。

(3) 快速と各駅停車の消費電力量

イ(各駅停車)

  1. 最高速度・加減速の割合・重量が同じなら、停車駅が多い各駅停車では、停止後に再び加速する回数が増えます。
  2. 設問の比較では各駅停車の消費電力量が大きくなります。実際の列車では回生ブレーキや運転条件も関わるため、ここでは問題の条件に沿って判断します。

間違えやすい点:現実の別条件を持ち込まず、設問で同じとした条件を確認する。

(4) 満員と空いた電車の消費電力量

ア(満員電車)

  1. 同じ列車・速度でも、乗客が多いと全体の質量が大きくなります。同じ程度に加速するために必要なエネルギーも増えます。
  2. 空いている列車と比べ、満員電車の方が大きな電力を必要とするという選択です。

間違えやすい点:車両だけでなく乗客を含む重さを比べる。

(5) ブレーキがよく効く電車

イ(空いている電車)

  1. 同じ車両・最高速度で比べると、空いている電車は総質量が小さいため、同じ制動力で速さを落としやすくなります。
  2. 実際の制御装置による補正などを追加する問題ではなく、問題が意図する質量の違いを考えます。

間違えやすい点:重い方が止まりにくいという関係を、同じブレーキの条件で理解する。

(6) 隣の快速の見かけの速さ

ウ(前方へ時速20km)

  1. 同じ向きに走る二つの列車では、見かけの速さは80−60=20km/時です。
  2. 快速の方が速いので、各駅停車の乗客には前方へ進むように見えます。反対向きの場合の和140km/時とは区別します。

間違えやすい点:差を計算した後、どちら向きに見えるかを確かめる。

(7)① 時速72kmの換算

秒速20m

  1. 72kmは72000m、1時間は3600秒なので72000÷3600=20m/秒です。
  2. km/時からm/秒へは3.6で割る換算になります。

間違えやすい点:長さだけでなく時間の単位も変える。

(7)② 出発15秒後の速さ

秒速10m

  1. 0から30秒で20m/秒まで一様に速くなります。15秒はその半分です。
  2. 20×15÷30=10m/秒です。距離ではなく、その時点の速さを求めます。

間違えやすい点:速さの増加が一定という条件を使う。

(7)③ 加速中30秒の距離

300m

  1. 一様な加速なので、この区間の平均の速さは(0+20)÷2=10m/秒です。
  2. 10×30=300mです。最後の速さ20を30秒ずっと保ったものとして600mにしないようにします。

間違えやすい点:速さと時間のグラフでは三角形の面積になる。

第3問|りんごの変色とジャム

この大問で学ぶこと

酸化・酸性・凝固を別々に整理する

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

(1) ジャムに加えるものと糖度

aエ(レモン汁)/bオ(高)

  1. レモン汁を加えると酸性の条件を整えられます。本文ではペクチンが高い糖度と酸性の条件で、加熱によりとろみを生むと説明しています。
  2. 水分を増やすだけの水や湯と、酸味を加えるレモン汁の役割を区別します。

間違えやすい点:本文で示された条件を二つとも満たすように空欄を埋める。

(2)① りんごが茶色になる仕組み

cカ/dイ/eキ/fウ

  1. りんごのポリフェノールが酵素の働きで空気中の酸素と結びつき、茶色に変わる酸化として整理します。
  2. ポリフェノール・酸素・茶・酸化という順です。ビタミンCや窒素に置き換えないようにします。

間違えやすい点:色の変化だけでなく、その前に関わる物質を説明する。

(2)② 変色を抑える方法

ア(食塩水につける)

  1. 選択肢の中では食塩水につける方法が適切です。表面を空気から隔てることに加え、食塩水が褐変反応を抑える働きがあります。
  2. ぬるま湯につけるだけで酵素が確実に失活するとは言えず、水だけよりも食塩水が適しています。

間違えやすい点:「加熱すればよい」と考えて、温度の指定を読み落とさない。

(3) 酸性の確かめ方

方法イ/結果キ

  1. 青色リトマス紙に溶液をつけると、酸性なら赤色に変わります。
  2. BTBでも酸性を調べられますが、その場合の色は黄色です。提示された方法と結果が対応する組を選びます。

間違えやすい点:指示薬と色を組で覚える。

(4) 食材を固める物質

ウ(ゼラチン)

  1. ゼラチンは食品にとろみやゲル状の固まりをつくるために使われます。
  2. ペクチンと同じ物質という意味ではなく、食品を固める用途を持つ別の物質として選びます。

間違えやすい点:用途が同じことと、成分が同じことを区別する。

第4問|オオカナダモの光合成

この大問で学ぶこと

対照実験で色の変化の原因を確かめる

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

(1) 植物の分類

エ(被子植物)

  1. オオカナダモは花をつくる被子植物です。水中で生活するからといって藻類に分類するわけではありません。
  2. 生活する場所だけでなく、体のつくりや増え方から分類します。

間違えやすい点:水草という呼び方と、分類上の藻類は別である。

(2)① 重曹を加えた直後

青色

  1. 緑色のBTB溶液へ重曹を溶かすと弱いアルカリ性になり、青色となります。
  2. この段階ではまだ息を吹き込んでいません。実験の手順の順番に合わせて答えます。

間違えやすい点:手順1と手順2の結果を入れ替えない。

(2)② 息を吹き込んだ後

黄色

  1. 息に含まれる二酸化炭素が溶けると酸性側へ変わります。色が変わらなくなるまで吹き込むため、BTBは黄色となります。
  2. 息の酸素による変化としないことが大切です。

間違えやすい点:BTBが示すのは酸素の量ではなく酸性・中性・アルカリ性である。

(2)③ 光を当てたAと遮光したB

A:青色/B:黄色

  1. Aでは光合成により二酸化炭素が消費され、溶液がアルカリ性側へ戻って青色となります。
  2. Bは光を遮り、光合成を行えないため黄色のままです。植物は暗い所でも呼吸をするので、「何の活動もしない」とは考えません。

間違えやすい点:A・Bの植物の有無は同じで、光の条件が異なる。

(2)④ Aで起こった反応

光合成

  1. 光のエネルギーを使って二酸化炭素などから養分をつくる反応が光合成です。
  2. 呼吸と混同せず、二酸化炭素を消費する向きに注目します。

間違えやすい点:明るい場所でも呼吸は続くが、この変化では光合成による消費が上回る。

(2)⑤ AとCを比べる目的

エ

  1. AとCはどちらも光を当て、オオカナダモの有無だけが違います。色の変化がオオカナダモによることを確かめる比較です。
  2. 光の有無の影響を調べるなら、植物のあるAと遮光したBを比べます。

間違えやすい点:比較する二つを明示して、違う条件を一つだけ挙げる。

(2)⑥ 条件をそろえる実験

対照実験

  1. 調べたい条件以外をそろえて比べるのは対照実験です。
  2. 結果が違ったとき、その違いの原因を絞るための方法です。

間違えやすい点:単に二本用意するだけでなく、何を同じにしたかを説明する。

(3) ヨウ素液で観察する葉

イ(所々に青紫色の斑点)

  1. アルコールで脱色すると葉の緑色が抜け、ヨウ素液の変化が見やすくなります。デンプンができた部分は青紫色となります。
  2. 顕微鏡では葉の全面が一様に染まるのでなく、光合成を行う葉緑体の位置に対応した点として観察します。

間違えやすい点:脱色の操作と、デンプンを確かめる操作を分ける。

(4) 炭素を取り入れる物質

二酸化炭素

  1. 光合成でつくられる養分中の炭素は、取り込んだ二酸化炭素に由来します。
  2. 酸素や水は炭素を含まないため、炭素の供給源にはなりません。

間違えやすい点:物質を構成する元素にも注目する。

第5問|柱状図・岩石・化石

この大問で学ぶこと

地層のつながりと上下関係から判断する

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

(1) 地面を円柱状に掘って調べる作業

ボーリング

  1. 地下の地層を細い円柱状の試料として取り出して調べる作業はボーリングです。
  2. 地表からは見えない層の順序や厚さを柱状図として整理できます。

間違えやすい点:柱状図は地下の層の順序を表す資料と理解する。

(2) A〜Dと四つの柱状図

Aウ/Bエ/Cア/Dイ

  1. 斜面の高いAでは上位の小石の層まで残るウ、少し低いBは小石と砂の層から始まるエ、その次のCは粘土層から始まるア、Dは砂層から始まるイです。
  2. 四本を地表の高さでそろえるのでなく、共通する層の境界や火山灰・石灰岩を手掛かりに上下へずらしてつなぎます。

間違えやすい点:地表からの深さが同じでも、同じ地層とは限らない。

(3) 最も古い地層

d(火山灰層)

  1. 示された層の重なりでは火山灰層dが石灰岩cより下にあります。地層の逆転などの条件はないため、下の層ほど古いと考えます。
  2. 地表に見えている層や柱の一番上の層を、最も古い層と混同しないようにします。

間違えやすい点:複数の柱をつないでから、全体の最下位を探す。

(4) 火山灰が赤くなる理由

ア

  1. 火山灰に含まれる鉄分が酸化することが、赤い色の原因です。
  2. 急に冷えたことや、微生物が生息できないことそのものを赤色の理由にはしません。

間違えやすい点:色の変化を鉄の酸化と結び付ける。

(5) 火山灰が固まった岩石

エ(凝灰岩)

  1. 火山灰などが積もって固まりできる岩石が凝灰岩です。
  2. 花こう岩はマグマが地下でゆっくり冷えた深成岩で、灰が積もった岩石とは成り立ちが違います。

間違えやすい点:材料とでき方の両方で分類する。

(6) 火山岩の特徴

イ・エ

  1. 火山岩は地表付近などで急に冷えて固まり、鉱物が十分大きく成長していない部分を持ちます。
  2. ゆっくり冷え、粒が大きく育つ深成岩と対比します。流紋岩は火山岩ですが、花こう岩まで一緒に挙げる選択肢オは不適切です。

間違えやすい点:一つの選択肢に二つの岩石名がある場合、両方を確認する。

(7) フズリナが示す環境

ウ(暖かく浅い海)

  1. フズリナの化石は、地層ができた当時の暖かく浅い海の環境を考える手掛かりです。
  2. 今その場所が山や陸地であっても、堆積した当時の環境を答えます。

間違えやすい点:現在の地形と、過去の堆積環境を区別する。

(8) 環境を推定する化石

イ(示相化石)

  1. 地層が堆積した当時の環境を推定する化石は示相化石です。
  2. 年代を推定する示準化石とは、判断する対象が違います。

間違えやすい点:「相」は環境、「準」は年代の基準、と対で整理する。

(9) サンヨウチュウとアンモナイトの時代

サンヨウチュウ:ア/アンモナイト:イ

  1. サンヨウチュウは古生代、アンモナイトは中生代の代表的な示準化石として整理します。
  2. 長く生存した生物でも、その化石がどの地質時代の目安として使われるかを選びます。

間違えやすい点:環境を示す化石と、年代を示す化石を混ぜず復習する。

解き直しの進め方

暗記だけでなく、比べる二つの条件、速さと距離の違い、地層の共通する境界を確認しましょう。答えを選んだ理由を、原問題の図や実験手順を指しながら説明する練習につなげます。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

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