2023年11月16日
予習シリーズ算数5年下の進め方【四谷大塚の予習シリーズ5下第11~14回】
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目次
1. はじめに:この記事を読んで得られるメリットと実戦力
予習シリーズ5年下第11〜14回は、4つのまったく異なる単元が並びます。第11回は仕事算・のべ算・ニュートン算という特殊算のグループ、第12回は5年上で学んだ水量の変化を比で解き直す単元、第13回は素因数分解を軸にした整数の性質、第14回は立方体・直方体の切断です。共通しているのは、いずれも「どこまでやり込むべきか」を志望校のレベルに応じて見極める必要がある単元だという点です。全部を完璧に仕上げようとすると時間がいくらあっても足りないため、優先順位をつけて学習することが合格への近道になります。
【本記事を読むメリット】
この記事を読むことで、4つの単元それぞれについて「必ずできるようにすべき部分」と「目指す偏差値帯によっては後回しでよい部分」の線引きが具体的に分かります。あわせて、仕事算の全体量の設定方法、比を使った水量問題の効率的な解き方、整数分野の力技と正攻法の使い分け、立体切断のパターン化された処理方法まで、それぞれの単元の核心を押さえられます。
2. 第11回:仕事に関する問題(仕事算・のべ算・ニュートン算)
第11回では、仕事算・のべ算・ニュートン算という3つの特殊算をまとめて学習します。これらはいずれも独立した単元で、ここでのつまずきが後の単元に直接響くということはあまりないため、必要以上に焦らず、優先順位をつけて取り組める単元でもあります。
◆仕事算:「全体の仕事」をどんな数にするかが勝負
仕事算は考え方自体はそれほど難しくないのですが、小学生にとっては「仕事」という言葉そのものがイメージしにくいという壁があります。例えば「ある仕事をするのにAが1人ですると20日、Bが1人ですると30日かかる」という問題文を見ても、仕事をしたことのない子どもにとっては何をイメージすればよいのか分かりにくいものです。ここでは、荷物運びのような具体的な作業に置き換えてイメージさせてあげることが理解の助けになります。
📦 全体の仕事量は「最小公倍数」に設定する
仕事算の問題では、全体の仕事の量そのものは固定されていません。ここで重要なのが、全体の仕事量を、それぞれの日数(この例では20と30)の最小公倍数である60に設定するという発想です。全体を60に設定できれば、Aは1日3個、Bは1日2個というように整数で計算でき、分数を使わずに済みます。この「全体をどんな数に設定すると計算しやすいか」という感覚さえ身につけてしまえば、仕事算の本質的な部分はほぼクリアしたと言えます。難しい問題ではさらに工夫が必要になる場合もありますが、まずはこの土台をしっかり固めることが大切です。
◆のべ算:全体の仕事は「人数×日数」で作る
のべ算は、例えば「12人で5日かかる仕事がある」というところからスタートします。ここでは、1人が1日にする仕事を「1」とし、12人が5日間働けば全体の仕事は12×5=60というように計算していきます。仕事算とのべ算の違いは、まさにこの「全体の仕事の出し方」にあります。仕事算は最小公倍数を使って全体の仕事を作りますが、のべ算は人数と日数の掛け算で全体の仕事を作ります。この違いさえ意識できていれば、のべ算は仕事算よりもスムーズに理解できることが多い単元です。
◆ニュートン算:特殊算の中でも最難関、線分図で本質理解を
3つ目のニュートン算は、特殊算の中でも最も苦戦しやすい内容とされています。難易度が高いからこそこの時期に扱われるわけですが、目指す偏差値帯によっては無理に完璧を目指さなくてもよい単元でもあります。感覚的な目安として、偏差値55以上を目指す場合はニュートン算まで仕上げておきたいところですが、そこまでを目標にしていない場合は、無理に仕上げようとせず、仕事算とのべ算を優先的に固めるという判断も十分にありえます。
📈 ニュートン算は「線分図」でのべ算の応用として理解する
ニュートン算に取り組む際は、線分図をしっかり書いてまとめることが理解の近道です。考え方としては、のべ算の応用にあたるため、のべ算が身についていない状態でニュートン算だけを理解しようとするのは難しくなります。優先順位としては、まず仕事算とのべ算を確実に得点源にできるようにし、そのうえで余力があればニュートン算にも挑戦する、という順序で学習を進めるとよいでしょう。仕事算やのべ算は、他の特殊算に比べてシンプルに解けることが多いため、まずはここを得点源にすることを目指しましょう。
3. 第12回:水深の変化と比
第12回では、4年下で学んだ水量とグラフ、5年上で学んだ水量の変化、そして季節講習で扱った物体を沈める問題といった、これまでに登場したさまざまな水量の問題を、比を利用して解き直します。難しそうに聞こえるかもしれませんが、実際には比を使うことで計算がコンパクトになり、むしろ楽に解けるようになる単元です。
◆底面積の比・深さの比・水の体積の比
この単元の基本は、「底面積×深さ=水の体積」という関係です。ここから、水の体積が等しいときには、底面積の比と深さの比が逆比になるという関係が導かれます。この逆比の関係は、公式として丸暗記するというよりも、感覚としてつかんでおくことが大切です。実際に問題を解く子どもたちの多くは、公式に当てはめるという意識ではなく、感覚的にこの関係を使いこなしています。
✍️ 水量グラフの問題は「状況図に名前をつける」習慣が鍵
水量のグラフに関する問題では、問題の図に「あ・い・う」のように名前をつけて区分けし、それぞれの部分がグラフのどこに対応しているかを整理できるかどうかが、得点力の差につながります。この「図に書き込んで整理する」という作業は、簡単な問題だからといって省略してよいものではありません。書く習慣がない子は、実は「書けばできるかもしれない問題」と「書いてもできない問題」の両方を、まとめて「できない」扱いにしてしまいがちです。逆に、書く習慣がしっかり身についていれば、難しい問題にも粘り強く対応できるようになります。この単元は、そうした書く習慣を身につける絶好の機会でもあります。
◆物体を沈める問題:水の移動を整理し、2通りの解き方を身につける
物体を容器に沈める問題では、水がどこからどこへ移動したのかを正確に整理できるかどうかがすべてです。ここでも、全部を計算だけで済まそうとせず、しっかり図を書いて整理する姿勢が重要になります。予習シリーズの解説では、同じ問題に対して「考え方1」「考え方2」という2通りの解き方が示されており、さらに比を使った補足の解説も加えられています。この4通りの解き方をすべて理解しておくことで、どのような出題形式にも柔軟に対応できる力が身につきます。
⚠️ 重りを1本ずつ入れていく問題は「計算方法が変わる瞬間」に注意
重りを1本ずつ入れていき、水位がどれくらい上がっていくかを考える問題では、重りをたくさん入れていくうちに、気づかないうちに重りの上に水が入ってくるようになり、そこから計算の仕方がガラッと変わってしまうことがあります。ここでも図をしっかり書いておかないと、この変化を見逃してしまいがちです。図を書いてまとめる訓練を意識して、この単元に取り組んでもらえると、水量分野全体の得点力が安定してきます。
4. 第13回:整数の分解と構成
第13回は数の性質の単元で、内容が抽象的になるのが特徴です。何個や何人といった具体的な数値ではなく、数そのものの概念を扱うため、苦手意識を持つ子も少なくありません。例題・類題をあわせると7題ほどあり、扱う内容の量も多いため、ノートをしっかりつけながら、どこに力を入れて学習するかを意識することが大切です。
◆素因数分解と約数の個数:理屈から公式を理解する
素因数分解ができることは、数の性質の単元全体を通してかなり重要な基礎になります。約数の個数を出す公式は、見た目だけでは分かりにくいものですが、例えば6の約数(1、2、3、6)がどのように作られるかを、6を素因数分解した2×3から考えていくと、公式の意味が理解しやすくなります。目指す偏差値帯が50台後半以上であれば、この公式をきちんと理屈から理解して覚えておく価値がありますが、そこまで届いていない場合は、無理に公式を使わず、書き出して数えるという方法でも十分に対応できます。
🔢 約数が奇数個になるのは「平方数」のときだけ
約数の個数は基本的に偶数個になりますが、9のように同じ数の掛け算(平方数)になっている場合だけ、約数の個数が奇数個になります。これは知っておくと便利な知識で、入試問題でもこの性質を利用した出題は珍しくありません。しっかり押さえておく価値のあるポイントです。
◆最大公約数と最小公倍数:連除法をパターンとして覚える
最大公約数や最小公倍数が提示されている場合は、連除法(はしご算)の形にまとめてしまうというのが基本の対応です。ここはパターンとして覚えてしまってよい部分です。ただし、連除法で出てきたスモールA・スモールBが同じ数で割れてしまう場合、最大公約数の設定自体が誤っていることになるため、この点は見落としやすい注意ポイントとして意識しておく必要があります。
◆既約分数の個数:素因数分解が力技を上回る
まず「既約分数」という言葉自体を正確に理解できていない子も多いため、意味の確認から始めるとよいでしょう。この手の問題を力技で解こうとすると失敗しやすく、素因数分解によって数字を構成する要素をしっかり見えるようにしておくことが、正確に解くための鍵になります。
◆割り切れる回数:力技と逆割算の両方を使いこなす
この単元の中でも特に重要度が高いのが「割り切れる回数」です。入試問題でもよく見かけるテーマで、しっかり得点源にしたいところです。例えば「Aを2で割り続けるとき、何回目で初めて商が整数でなくなるか」というタイプの問題では、素因数分解をして2がいくつ隠れているかを数える力技の方法と、連除法のような形で数を割り続けて出てきた商を最後に足し算する逆割算という2つの解き方があります。
🧮 まずは力技で理解し、最終的には逆割算で速く解く
逆割算の解き方は、しっかり理解できれば非常に速く答えを導けますが、理屈を理解しないままこのやり方だけを覚えてしまうと、応用が利かなくなってしまいます。そのため、まずは力技(素因数分解して該当する数を数える)で確実に解けるようにしたうえで、最終的には逆割算のようなスピーディーな解き方に発展させていく、という段階を踏んだ学習がこの単元をしっかり定着させるコツです。
5. 第14回:立方体・直方体の切断
第14回は、立体の切断という、一言で言えば「難しい単元」です。立体の切断は、入試で頻繁に出題する学校とまったく出題しない学校がくっきり分かれる分野でもあります。志望校の過去問を確認し、出題されているかどうかを踏まえて、どこまで時間をかけるかを判断するとよいでしょう。空間認識能力が求められる単元のため、無理にすべてを完璧にしようとすると、かえって苦手意識を強めてしまうこともあります。
◆切り口の形:パターン化して機械的に処理する
立体の切断で難しく感じられる最大の理由は、切断面のイメージがしにくいという点にあります。しかし、切り口の形を求める作業自体は、実はパターンとして機械的に処理できる内容です。基本的には、切断面になる頂点を結んでいき、途中で立体の中に線が入ってしまう場合は、対面に平行線を引いて新しい点を作る、という決まった手順で対応できます。立方体の切断面のパターンは限られているため、決まった形として覚えてしまうくらいの気持ちで取り組んでもよい部分です。
⬡ 正六角形の切断面は延長線を引いて処理する
切り口の形の中でも、正六角形になるパターンは少し難易度が上がります。正しい対応方法は、延長線を引いて大きな三角形を作り、それを立方体に落とし込んで正六角形や五角形の切断面を導き出すというものです。このレベルの処理は、偏差値55以上を目指す場合に必要になってくる内容で、そこまでを目標にしていない場合は、無理に習得しなくても大きな支障にはなりません。
◆切断後の立体の体積:対辺の和が等しくなる性質を利用する
切断後の立体の体積を求める問題では、斜めに切ったことで高さがそれぞれ異なる柱体が登場することがあります。ここで知っておきたいのが、対辺の和が必ず等しくなるという性質です。例えば高さが1cm・2cm・4cm・3cmとなっている場合、2cmと3cmを足すと5cm、1cmと4cmを足しても5cmになるというように、対になる辺の和が一致します。この性質を利用すると、分からない高さを簡単に求めることができます。体積の求め方としては、同じ立体をひっくり返してくっつける方法と、底面積×高さの平均で求める方法があり、どちらも押さえておくとよいでしょう。
📐 延長して三角錐を作る解法は入試の定番
斜めに切った柱体の体積を求める際、切り口を延長して大きな三角錐を作り、そこから余分な部分を引き算するという解法は、入試問題でもよく見かける定番の考え方です。可能であれば、偏差値55を目指していない場合でも、この解法だけは押さえておく価値があります。頻出度が高い分、身につけておくことで得点の安定につながります。
6. まとめ・解説動画(タイムスタンプ付き)
第11〜14回は、それぞれ性質の異なる4つの単元が並ぶ期間です。第11回は仕事算・のべ算を確実な得点源にし、ニュートン算は目指す偏差値帯に応じて優先順位を調整しましょう。第12回は、水量の問題を比で解くことで計算がぐっと楽になることを体感し、状況図に書き込む習慣を身につける機会にしてください。第13回は、力技と正攻法の両方を段階的に身につけることが定着への近道です。そして第14回は、志望校で立体の切断が出題されるかどうかを踏まえたうえで、切り口の形のパターン化と体積を求める2つの解法を押さえておきましょう。
📺 動画インデックス:各回の解説へ直行
以下の「▶ 再生開始」ボタンをクリックすると、それぞれの回の算数の解説が始まる秒数から直接再生されます。お子様の復習や、家庭学習での親御様の確認にぜひご活用ください。
| 学習回 | 主なテーマ | 解説を再生する |
|---|---|---|
| 第11回 | 仕事に関する問題(仕事算・のべ算・ニュートン算) | ▶ 再生開始 (1:15〜) |
| 第12回 | 水深の変化と比 | ▶ 再生開始 (1:10〜) |
| 第13回 | 整数の分解と構成 | ▶ 再生開始 (1:07〜) |
| 第14回 | 立方体・直方体の切断 | ▶ 再生開始 (1:13〜) |
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